例年になく雨が降り続いています。カワセミです。
木曽三川公園センター北ゾーンプロムナードには「夏の水物語」として緑のトンネル(グリーンカーテン)が準備されています。
まだまだ成長中ですが、使われているのは、ウリ科の植物、糸瓜(ヘチマ)、苦瓜(ニガウリ、ゴーヤ)、胡瓜(キュウリ)、瓢箪(ヒョウタン)などです。今年は根元に桔梗(キキョウ)を植えました。
ウリ科の植物は、支柱につるを絡みつけて成長していきますが、葉の模様や花の付き方が違うため種類を区別できます。いずれも6〜8月に花を付け、また、雄花と雌花が咲くので見分けてください。食べて美味しい胡瓜や苦瓜より、大きなフリフリ花弁である糸瓜の方が綺麗でいいなと思うのは私だけでしょうか?
桔梗、胡瓜、瓢箪は、当地が舞台となっているドラマに関係があります。桔梗は土岐家の、胡瓜(木瓜)は織田家の家紋として使われています。
本能寺の変の直前、「時(土岐)は今 雨が下たる 皐月哉」と明智光秀が句を詠みます。本能寺の変は旧暦5月、現在の暦で6月下旬とされますが、桔梗や瓜の花を楽しむなら「時は今」、グリーンカーテンが成長し、実がなるのはこれからです。
<今日の植物と濃尾地方の歴史>
○ききょう → 桔梗紋 → 土岐氏(明智光秀)
土岐氏は古くから美濃国(岐阜県)に住んだ武家で桔梗を家紋とし、最盛期の室町時代(南北朝時代)には、美濃(岐阜)・尾張(愛知)・伊勢(三重)の守護大名になります。土岐氏からは明智氏、浅野氏などが分家します。
○きゅうり → 木瓜紋 → 織田氏(織田信長)
木瓜(もっこう)紋は、胡瓜(きゅうり)の実の断面を図案化したとも言われます(異説あり)。京都祇園の八坂神社の神紋でもあり、祭期間中は神聖視され、胡瓜を食べないという地方があります。織田氏の先祖は、越前(福井)にある織田剣神社の社家とされます。織田信長は、下克上により尾張・美濃・伊勢の守護大名に代わり戦国大名となって天下統一を目指します。
○ひょうたん → 瓢箪 → 羽柴家(豊臣秀吉)
瓢箪は古くから水の容器として使われていましたが、羽柴秀吉が千成瓢箪を戦場での印として用いました。豊臣秀吉は信長の死後、天下統一します。なお、のちの豊臣家の家紋は桐紋です。